毒物劇物取扱責任者とは?
名前は恐ろしいですが「毒物及び劇物取締法」の定めに基づき、毒物・劇物の製造、販売などを行う事業所等で保健衛生上の危害の防止にあたる者です。
つまり、毒物や劇物を「取り扱う」国家資格なのです。
毒物劇物取扱責任者の業務
法令上での具体的な記載はないが、厚生省から各都道府県知事への通知では
・毒物、劇物の製造、貯蔵、陳列、運搬の設備基準が遵守されているかどうかの点検・管理
・毒物、劇物の表示や着色が規定どおり遵守されているかの点検
・紛失や漏出などの防止措置の点検
・運搬、廃棄に関する技術の適合状況の点検
・事故時の応急処置に必要な設備基材の点検・管理、周辺事業所との連絡、保健所などへの届出、原因調査及び再発防止措置に関すること
・その他(従業員の教育、業務日誌の作成)
とされています。
しかし、上記は毒物劇物取扱責任者が直接従事する必要はなく、指揮監督の下で適切に管理する事とされています。
毒物劇物取扱責任者の取得方法
下記のいずれかに該当し、後述する欠格事項に該当しない者が資格を有することができます。
・薬剤師である者
・厚生労働省令で定める学校に置いて、「応用化学に関する学課」を修了した者
・毒物劇物取扱者試験に合格した者
・18歳未満
・心身の障害により毒物劇物取扱者の業務を適正に行うことができない者
・麻薬、大麻、あへん及び覚せい剤の中毒者
・毒物若しくは劇物又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して3年を経過していない者
毒物劇物取扱責任者の試験内容&合格基準
筆記・実地の試験があります。
【筆記試験】
・毒物及び劇物に関する法規
・基礎科学
・毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法
【実施試験】(※都道府県によって実技とペーパーの違いがあります)
・取扱方法
・毒物、劇物の識別
合格基準は次の通り。
①総合得点が全体の6割以上の得点率
②各科目4割以上の得点率
都道府県により差はありますが、双方の条件を満たすことで確実に合格することができます。
毒物劇物取扱者のメリット
就職の幅は広がる
毒物や劇物が含まれたものは意外と多く、塗料・薬品・医療用品などで使われています。多くの業界で使われているため就職先の選択肢が広がります。
毒物劇物取扱者 合格のコツ
全体像をつかむ
いきなり全てを理解しようとするのは難しいかもしれません。テキストを最初はざっくり読み、全体をつかむようにしましょう。
過去問題の傾向をつかむ
この試験のポイントは、「統一試験ではない」ということです。令和元年から中国5県は統一されましたが、まだまだ全国統一にはなっていません。
受験する都道府県の過去問題がインターネット上でダウンロードできますので、どのような問題が出題されるのかチェックしましょう。
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